院長の独り言

  • 院長の独り言
    50.合宿!!

    先日の連休、盛岡南高校水泳部の陸上トレーニング合宿に行ってきました。

    今回はいつもより長い時間が取れたため、小休止を含めながらぶっ続けで6時間!など、

    質・量ともかなりきつめの合宿となりました。

    IMG_1804[1]

    写真はスクワットの様子です。

    高重量トレーニングを行える種目ですが、この段階ではまだそんなに重いものは持っていません。

    ここに至るまでに相当な準備を行いました。

     

    しっかりした準備を行うと効率的な良い動きを行うことが出来るようになります。

    良い動きでスクワットを行うと体幹でしっかりと錘を受けるため、高重量を扱うことも可能となります。

    この姿勢、初めてバーを担いでスクワットを行っているとは思えないほど軸がしっかりとしています。

     

    負荷を高めたスクワットを行った後練習前と柔軟性を比較したところ、ほとんどの選手がスクワット後の方が柔軟性が拡大していました。

    これは非常に良いトレーニングが行えた証です。

    選手達は集中の切れてしまった時もあったでしょうが嫌な顔一つせず、本当に頑張ってくれました!

     

    なお一般的な筋力トレーニングを行うと柔軟性は低下します。

    強度が高くなればなるほど硬くなり、これを改善するためにさらに何かをしなくてはなりません。

    しかし筋肉のバネを用いた良い動きでトレーニングを行うと、トレーニング後の方が柔軟性も高まるのです。

     

    IMG_1805[1]

    上の種目はプルオーバーという種目です。

    見た目は上半身の種目のようですが、実際はそれだけでなく下半身との連動なども掴める意義深い種目です。

    こうした種目でスクワットという体幹を最大限に鍛える種目の基礎的な部分を作っていきます。

     

    IMG_1803[1]

    非常に質の高いトレーニングを行ったので選手の疲労、筋肉痛もかなりのものになったと思います。

    メインとなる種目の間には、局所の動きを回復するためのストレッチを沢山行いました。

    ストレッチのポイントを再確認する良い時間にもなりました。

     

     

    きつい合宿をやり遂げた選手達です。

    しっかりと結果がついてくるよう今後もサポートしていきたいと思います!

     

     

    最後に今回も食べた美味しいラーメン(今回は野菜味噌!)の写真も(^^)

    IMG_1801[1]

     

     

  • 院長の独り言
    49.グラウンドに金が落ちてる?!

    今回は私のサッカーレベルの低さを暴露する、お恥ずかしい話です。苦笑

     

     

    日曜日には、公園で仲間と草サッカーをします。

    元々球技は苦手なんですが、たまたまストレス発散に誘われて以来楽しんでいます。

     

     

    チームには学生時代サッカーをしっかりやっていた人から私のように初心者から始めた人までいます。

    毎週適当に集まって、基礎練習もなくミニゲームばかりやっています。

    だからいまだにリフティングもろくに出来ません。汗

     

    チームももう15年になるのですが、私の場合サッカーをしているものの上手くはならず、楽しみながら運動する時間です。笑

     

     

    インサイドキックというボールを足の内側で蹴る、基本中の基本のキックがあります。

    このキックでパスを送る際はゴロで丁寧に送るものなのですが...

    私の場合大きくライナーのようになってしまうことがしばしばです。

     

    足のどこにボールを当てるとか、足の軌道がどうとか、経験者の方に聞くんですがなかなか上手くなりません。

     

     

    ある時、以前インサイドキックについて教えてくれたチームの10番の人がウォーミングアップしているのを見ていました。

     

    以前教わったのは、壁に足をインサイドキックの形で当てて感覚を覚える練習でした。

    10番の人はこの練習に近い形でウォームアップしていました。

    それは壁に近い位置に立って、実際にボールを蹴る(足に当てる)ものでした。

     

     

    私もこの実際にボールを蹴るバージョンを真似してやってみました。

    するとボールが今まで思っていた足の位置(角度)と違う感じに当たりました。

    IMG_1799[1]

    それは写真のところなんですが、骨の真横からほんの少し下の面という感覚です。

    そこは言葉的に以前教わった範囲(足の内側の骨のでっぱりをつなぐ三角形)内と言えるのですが、自分的に明確な違いを感じました。

    しかもこの方がボールは安定してしっくりする感じがしました。

     

     

     

    翌週新たな感覚のインサイドキックでミニゲームをすると、全く吹かす(ボールが大きく浮いてしまう)ことがなくなりました!

    これまでは“ここぞ!”という時ほどボールを吹かして信頼を失うのですが、この日はシュート精度の良さを褒められた位でした。まぐれかもしれませんが。笑

     

     

    冒頭の「グラウンドには金が落ちている」は、プロ野球解説者のどなたかが「昔はよく言ったもんだ」みたいに話していた言葉です。

    その意味は練習場所には教わらなくとも上手くなるきっかけ(良い見本など)があるということだと思います。

     

    今さらサッカーが上手くなったところで実際にお金が入ることはありません。

    しかし上達することはスポーツの楽しさを何倍にも増してくれます。

    今後もグラウンドの金を探していこうと思います(^^)

  • 院長の独り言
    48.骨盤・股関節って?

    今回は骨盤、股関節を見ていきましょう。

    図Aのように骨盤も股関節も腰まわりの関節の一つです。

     

     

    腰も肩のように複数の関節の複合体と言えるかもしれません。

    実際、腰関節というものはなく、「腰」の定義と言えるものはないように思います。

    腰とは?

    腰まわりの関節を一つずつ見ていきましょう。

    ①胸腰(キョウヨウ)関節

    背骨のつながりの一つです。背骨の真ん中あたりにある胸椎(キョウツイ)の一番下(第七胸椎)と下の方にある腰椎(ヨウツイ)の一番上(第一腰椎)の間の関節。

     

     

    この関節、1つだけを指すのではなく、左右2つの関節を合わせて指しています。

    https://ktc-web.net/features-about-bodyに関連したことを書いています。

     

     

    なお上のリンクページにもあるのですが、背骨同士の関節である①②③はどれも左右2つずつあります。

     

     

    ただし背骨の種類(頸、胸、腰)によって構造の違いがあります。

    このことについても先程のリンクページで触れていますので、ご参照頂けたらと思います。

     

     

     

     

    ②腰椎椎間(ヨウツイツイカン)関節

    第1~第5腰椎の間の関節です。

    身体を前後、左右に倒す時に働きますが、左右に捻ることは苦手な関節です。

     

     

     

     

    ③腰仙(ヨウセン)関節

    第5腰椎と仙骨をつなぐ関節です。

     

     

     

    ④股関節

    「腰」に股関節を含めないことが多いかもしれません。

    ただ股関節は自由度が高く、腰を動かす時に連動して大きく動くことが多いのでここでご紹介しています。

    腰を使うといった時、実際にはこの股関節の動きがカギを握ることは非常に多いです。

     

     

     

    ⑤仙腸(センチョウ)関節

    骨盤の中の関節です。

    一般的な骨盤調整というものは、ここの調整をするようです。

    解剖学では肩関節でご紹介した“肩鎖関節”と同様に、動きはあるけれど動きは少ない関節という分類になります。動かない関節とする考え方もある関節です。

     

     

     

    ⑥恥骨結合(チコツケツゴウ)

    ここも骨盤の部分ですが、解剖学上関節ではありません。

    背骨同士の結合部(椎間円板(ツイカンエンバン))同様、繊維軟骨(センイナンコツ)による連結部です。

     

     

    結合部は関節ではないのですが動きの出る部分で、この微細な動きがさまざまな動きを円滑にしています。

    なお我々が行う治療では、仙腸関節だけでなくこの恥骨結合にもアプローチしています。

     

     

     

     

    腰について話すのであれば、先に出てきた椎間円板についても触れなければいけませんね。

    椎間円板は図Bのように背骨の椎体(ツイタイ)というところの間部分、つながりのところです。

    前述の①②③の関節では、それぞれの関節と椎間円板が協同して動きます。

    胸椎 椎間円板

    椎間円板には、ゼラチン状の髄核(ズイカク)という球状のものが真ん中にあります。

    図Cはこの髄核の動きを表しています。

    椎間円板

     

    動きの方向性は多岐に渡るのですが、その動く範囲は大きくありません。

    椎間円板は背骨一つ一つの間にありますので、その数も沢山あります。

    この沢山あるものが少しずつ連動して大きな運動を行います。

     

     

    ちなみに椎間板ヘルニアというのはこの髄核の問題となります。

     

     

    さらにもう1つ、林先生なら知っていそうなちょっとした雑学的なものを。笑

    一般に健康な人は、朝と比べて夕方は身長が縮みます。

    この原因は、髄核の水分量が朝に比べて夕方は低くなるためなんです。

    水分量が減ることで髄核がしぼんで椎間板が薄くなってしまい、身長も縮んでしまうのです。

     

     

     

     

    動作も顔や性格と同じで個性があります。

    腰の場合も動作によって動く関節、各関節の貢献度が異なります。

     

     

    ただ関節の特性を無視した動きの個性は、怪我や故障につながります。

    スポーツではパフォーマンスを下げる原因ともなります。

     

     

    頭でっかちになると上手くいかない場合もありますが、それぞれの関節の特徴が頭の片隅にあると良いかもしれませんね。

  • 院長の独り言
    47.講習会 in 盛岡

    先日、毎年恒例となった盛岡にあるPAWスポーツクラブさんで競泳選手向けの陸上トレーニング合宿に行ってきました。

    ここのところ小難しい内容が続いていたのでグルメっぽいのを交えて。笑

     

     

    到着した時は雪もなく、東京と比べて肌寒いただの曇り空だったのですが…

    初日の講習を終わって外に出ると凄まじい雪でした!

    IMG_1787[1]IMG_1785[1]

    さすが東北!数時間でこの有り様。

    最近の盛岡は雪が減ったと聞いてますが、侮れないですね。

     

     

    初日の講習後は他のスイミングのコーチの方も合流して食事会となりました。

    IMG_1784[1]

    もう10年以上盛岡へ出張指導に伺って地のモノを頂いてきましたが、今回は初の肉づくしのお店でした。らーじゃん麺

     

    この後さらにラーメンとじゃじゃ麺の融合したらーじゃん麺なるものを〆に。(写真上)

    ちなみに翌日のランチもラーメンでした。汗(写真下)

    IMG_1793[1]

    ラーメンにもいろいろありますが、こうした昔ながらの中華そばっぽいのが私の好きなジャンルです(^^)

     

     

    食べ物のアップばかりで遊んできたみたいですね。苦笑

     

    もちろんしっかり講習会もやってきました!

    今回も他クラブから志願して参加する選手がいて、非常に良い刺激になったと思います。

    写真は190cm近い高校生の大男と150cmほどの小学生の凸凹コンビ。笑

    IMG_1792[1]

    今回はやや難易度の高いトレーニングも交えたのですが、選手はしっかり取り組んでくれました!

    なかなかの筋肉痛になったようですが、鍛えるべきところに効いたようです。

     

    今年はオリンピックイヤーでもありますが、岩手にとっての注目は地元国体の開催です。

    この中から岩手国体に出場、活躍するような選手が出てきてくれたらと思います。

  • 院長の独り言
    46.続、関節って?(体幹シリーズ番外編)

    前回に引き続き、解剖のお話です。

    興味のある方には好奇心をそそる内容かもしれませんが...

    一般的には眠くなる内容かもしれません。

    悪しからず、お付き合い下さいm(__)m

     

     

    関節の形には様々なものがあります。

    その形によって動き方、働きも異なります

    球関節

    左側は肩関節(上腕肩甲関節)、中央が股関節です。

    右にあるように動く軸が3方向にあり、大きく動く関節のタイプです。

     

    車軸関節

    左の関節は前腕の肘に近いところの関節です。

    腕を捻る時に活躍しますが、肘の曲げ伸ばしの役割はありません。

    右は首の一番上の関節です。

    焼き鳥の串が回るような動きをします。

     

    蝶番関節

    これは肘の関節です。

    肘の曲げ伸ばしを行う関節です。

    腕を捻るためには用いられません。

     

    平面関節

    これは腰の部分の背骨です。

    平面部分と平面部分が向き合い、滑ることで動きが出ます。

    動く軸は無数にとることが出来るのですが、動き自体は小さくなります。

     

    骨も様々な形をしているのですから、骨と骨の連結部分の形が異なるのは当然と言えば当然ですね。

     

     

    一部関節の種類をご紹介しました。

    他にも違った仕組みの関節の種類もあります。

    それぞれの構造によって動きも規定されることをご理解頂けたらと思います。

     

     

     

    関節の構造

    この図は一般的な関節の構造を表しています。

    これを見ると分かるように、骨と骨のつなぎめである関節は、青く示された関節液の中にあります。

     

    この関節液、元々大量にある訳ではありません。

    しかしこれが潤滑油として働くことで関節は滑らかに動くことが出来ます。

    また関節面にかかる圧力を均等に分散させて衝撃を吸収する役割も果しています。

     

     

    このように関節液は非常に重要な役割を果しています。

    関節液が関節包にしっかり満たされていると本来の働きを行うことが出来ます。

    これが関節の内圧が高い状況です。

     

    逆に関節内圧が低くなると、関節と関節の間のクッションのスポンジが一部薄くなったりする訳です。

    また潤滑油が行き渡らず、ギコギコ音を出しながら動いて熱をもつといった状態になります。

     

    これでは意図した動きが正確に行えなくなるだけでなく、怪我や痛みを生み出すことになります。

     

     

    ブログは簡単に書きたいのですが、身体に関わることはついついマニアックになってしまいますね。苦笑

    ただトレーニングや治療はこうした関節の構造や形など、基本的なものを抑えたやり方で行いたいものですね。

  • 院長の独り言
    45.関節って?肩関節って?(体幹シリーズ番外編)

    今回は体幹シリーズを続ける上で不可欠な、基本的な解剖の話をします。

     

     

    まず関節とは骨と骨がつながっている部分のことを言います。

    この関節について、あまり知られていないけれど非常に重要なことを一つ。

     

    片方の骨が動き、もう片方の骨は安定して動かないのが基本的な、正常な関節の動き方となります。

    関節説明

    図の白い矢印は骨の動く方向、黒い矢印は関節面の運動です。

    上の図も下の図も動く骨が右側、動かない骨が左側にあります。

    骨の形が逆転している(関節によって異なる)ことがお分かり頂けるかと思います。

     

     

     

    肩関節は端的に一つの関節を示す場合と、広義で複数の関節をまとめて指す場合があります。

     

    広義の肩関節は図にある5つの関節すべてを含みます。

    肩関節

    ①胸鎖(キョウサ)関節

    身体の前側にあります。肋骨(ロッコツ)前側の間にある縦長の胸骨(キョウコツ)と鎖骨(サコツ)で構成されています。胸骨に対して鎖骨が動きます。

     

    ②肩鎖(ケンサ)関節

    背中の肩甲骨(ケンコウコツ)の外・前側と鎖骨の外側がつながった関節です。

    靭帯(ジンタイ)での補強が強いため他の関節と比べて動きは小さくなります。

     

    ③肩甲胸郭(ケンコウキョウカク)関節

    背中の肩甲骨の内面と肋骨の間にあります。肋骨の上を肩甲骨が滑るように動くのが基本だと考えて下さい。

     

    ④上腕肩甲(ジョウワンケンコウ)関節

    肩甲骨の外側と上腕骨(ジョウワンコツ)の付け根がつながるところ。

    肩甲骨に対して上腕骨が動きます。

    骨による支えが小さい分、筋肉によって支えられています。そのため人体の中で一番大きく動くことの出来る関節です。

    また筋肉による制動がうまくいかないことでも簡単に痛みや機能障害が出てしまいます。

     

    ⑤第二肩(ダイニカタ)関節

    上腕骨と肩甲骨のところのもの。常につながっているところではないため解剖学的な関節ではなく、機能的な関節とされています。

    ここでは本論からそれるため、この程度にします。

     

     

    狭義の肩関節は④のみを指します。

    分類の仕方にもよりますが、広義には①~⑤すべてを以って肩関節と言います。

     

    歳を取ると共に腕(肩)を使う動作に変化が生じるという報告があります。

    それは上腕肩甲関節に頼って他の肩の関節の貢献度が低くなるというものです。

    そしてこれが四十肩・五十肩の一因になるそうです。

     

     

    日常生活でもスポーツにおいても肩は大きく動いた方が良いですよね。

    そのためには④上腕肩甲関節だけでなく、①~⑤の関節全てがしっかり協同して大きく動かせるようになる必要があります。

    またこれが四十肩の予防にもなります。

     

     

    ①~⑤の関節は複雑に協調・連動して肩としての役割を果たします。

    したがって明確にどこが体幹部分との境界線(免震構造で言うところの絶縁部分)となるか言えないところがあります。

     

     

    肩のそれぞれの関節は身体の中心に近い骨が安定して、これに対する骨が大きく動く構造になっています。

    つまり体幹に近いほどブレず、身体から離れたところほど大きく動く方が身体本来の能力を発揮出来るということです。

    これが体幹が強いメリットと言えるでしょう。

     

     

    こうしたことも予備知識として持って頂くと、体幹シリーズ本編もご理解頂けるかもしれません。

     

     

    今後も体幹シリーズは展開していきますが、折を見てこうした番外編を多々折り込んで少しでも分かり易いものにしていきたいと思います。

  • 院長の独り言
    44.体幹シリーズ⑥ 人体における免震の仕組み

    お久しぶりの体幹シリーズです。

    長らくお待たせしてしまい、すいませんでした!

     

    またまたちょっと分かり辛い文章が展開されますが、しばしお付き合い下さい。苦笑

    最後にいくつか言葉の補足もしましたので、ご参照頂きながらお読み頂ければと思います。

     

     

    地震対策の免震構造は、大雑把に言うと地球と建物を絶縁して揺れを伝えないというものでした。

    人体においては手足の付け根部分が絶縁部分となり、体幹を安定させています。

     

     

    絶縁部分を解剖学的に明確に言い表したいと思います。

    ただこれについては明確には分からないのが正直なところです。

    私の不勉強と言えるのかもしれませんが…苦笑

     

     

    体幹との絶縁部分(免震構造)は

    ①腕の付け根は広義の肩関節

    ②足の付け根は骨盤・股関節周辺部

    といった曖昧な解答しか持ち合わせません。

    (肩関節、骨盤・股関節については近日中にもう少し紐解きます)

     

     

    実際人体の構造、各部の機能は相互に関係が深いため簡単に割り切れるものではない気がします。

    (図の赤丸部分が腕・脚との絶縁部分で免震構造と考えられるところ)

    絶縁部分

     

     

    私が股関節の動きを改善しようと試みる場合、まず股関節をまたぐ筋肉にアプローチします。

    殿筋群など直接股関節に作用する筋群のことです。

    ただそれだけでは不十分です。

     

     

    膝関節に関わるような脚の筋肉の他、お腹や・腰・背中も股関節の動きに大きく関わります。

    したがって股関節のためには脚まわりだけでなく、腰背部や胸腹部、さらには腕につながるところまでもチェック、アプローチしているのです。

     

     

    有名な下半身のトレーニングにスクワットがあります。

    実際スクワットを上手く行うには背中から肩の柔軟性と強靭さも重要だということは、よく知られたことです。

     

     

    ただ股関節周りの筋肉に背中から足までつながっているような筋肉は、深いところ(いわゆるコア)にも浅いところにも存在しません。

    ではどんな仕組みで動作が行われるのでしょうか?

    脊柱起立筋 僧帽筋 殿筋から腸脛靭帯

     

     

    図の赤く示した筋肉は脊柱起立筋(セキチュウキリツキン)と言い、人体の中でも長い筋肉です。

    (青い筋肉は肩まわりの大きな筋肉である僧帽筋(ソウボウキン)、黄色い筋肉は骨盤・股関節周りの大殿筋(ダイデンキン)~大腿筋膜張筋(ダイタイキンマクチョウキン)です)

     

     

    この脊柱起立筋、実は腸肋筋(チョウロクキン)、最長筋(サイチョウキン)、棘筋(キョクキン)など複数の筋肉の総称です。

    脊柱起立筋という筋肉のグループが協力して活動することで、背中を反るという動作はなされています。

    (実際には脊柱起立筋のみで背中を反っているのではないのですが、ここでは省略します)

     

     

    脊柱起立筋に代表されるように、動作というものは複数の、多くの筋肉が協力(連動・協調)してなされるものなんです。

    どんな動作も1つの筋肉が1つの指示の下動いて完結するような単純なものではないのです。

     

     

    すなわち股関節の動きを良くするためには身体全体で(特に腹筋群、背筋群から足の筋肉まで)上手く協調・連動出来る状態にならなくてはなりません。

     

     

    どんな動作も筋肉だけの問題ではなく、さまざまな関節の状態も影響します。

    特定の筋肉、関節だけの問題で話が簡単に済むことは少ないということです。

    (人体の協調・連動運動については大きな大きなテーマですので、また改めてご紹介しなければいけませんね)

     

     

    股関節・肩関節は、構造的に自由度の大きな関節です。

    また体幹と腕あるいは脚をつなぐ部分でもあり、ポジションとしても建築物の絶縁部分となります。

    したがって骨盤股関節周辺部・肩関節の協調・連動の能力が、人体における免震装置の能力と言えるのではないかと思います。

     

     

    言葉の補足

    免震

    震え(揺れ)を免(マヌガレ)れること。

    手足を動かすことで体幹部分に揺れ(動き)が伝わりますが、その揺れを免れて体幹部分が動かないようにすることとなります。

     

    絶縁

    電気においては電流の流れを断つこと。人間関係では交友関係などその人との付き合いを断つこと。

    手足を動かすことで体幹にも動き(揺れや)は伝わりますが、その動きを断つことと考えて下さい。

  • 院長の独り言
    43.新年のご挨拶

    新年、あけましておめでとうございます。

     

    昨年も沢山の方々にお世話になり、きくち接骨院はまた一年歩んでくることが出来ました。

    本当にありがとうございました。

     

    一人一人の患者様、選手達と接することで、我々は多くの経験をしています。

    一つ一つの症例を医学、スポーツ科学的知見と照らし合わせていくことで、日々成長のチャンスを頂いています。

     

    今年もそうした一つ一つのチャンスを活かし、より良い医療、運動指導を行うことで皆様に還元できるよう努力して参ります。

     

    本年も皆様の健康、パフォーマンス向上のために全力を尽くさせて頂きます。

    よろしくお願いいたします。

     

    写真は本文と関係ありません。

    伊藤先生が盛岡に帰省してお土産に買ってきてくれたじゃじゃ麺です。

    表と裏にほぼ同じデザインで縦と横に印刷されている変わった箱でした。笑

     

    IMG_1743[1]

  • 院長の独り言
    42.体幹シリーズ⑤ 免震と体幹

    地震対策には柱などを強化する耐震、揺れを吸収する制震、建物と地面を絶縁して揺らさない免震、の3つがあります。

    今回は3つ目の免震についてお話しします。

    免震

     

    免震の代表的な構造は、図の左のようになっています。

    免震装置には大別して二つあり、一つ目は図右の上のアイソレーターと言われる装置です。

    アイソレーターは、周期の短いはげしい揺れを、長い周期のゆったりした揺れに変える役割を持っています。

     

     

    もう1種類の免震装置は図右の下にあるショックアブゾーバーです。

    このショックアブゾーバーは大きさなどの違いはありますが、前回の制震にも用いられていました。

     

    免震でのショックアブゾーバーの役割は、ゆっくりした揺れに変わった建築物を早く止めることです。

    つまりエネルギー吸収装置としての役割を持っています。

    免震で用いられるショックアブゾーバーは制震に用いられるものより大型で、絶縁部分に用いられるようです。

     

     

    人が歩く時、重心が動くので足が出ます。

    足が出れば自然と腕も動きます。

    足のみ振ろうとしてもバランスを崩してしまうため、必ず反動で身体のどこかが動きます。

     

    これが人間におけるアイソレーターといえるかもしれません。

    重心が大きく動くと身体がそのまま倒れてしまうため、重心と逆方向に身体を動かして重心を制動し、バランスを保ちます。

    ウォーキングやランニング時の腕振りがイメージしやすいかと思います。

     

     

    足の動きに対して腕の振りが入るために、体幹部分が安定するのです。

    体幹が建物部分だとすると、手足の付け根が絶縁部分と言えるのかもしれません。

    (歩行について詳しくは以下をご参照下さい。https://ktc-web.net/features-about-walk

     

     

    これから冬はマラソンや駅伝シーズンになりますね。

    ラストの競り合いでは身体に無理をしてでもスピードを上げなくてはなりません。

    前半は身体(体幹)が丸太棒のようにブレなかったものが、無理をするとブレてきます。

     

     

    これは足に対する腕の振りでブレ(振動)を打ち消していたものの追い付かなくなり、身体(体幹)自体も動かざるを得なくなったということです。

    (下の写真もラストスパートで頑張っているがゆえに腕振りに体幹がもっていかれていることが、お分かり頂けるかと思います)

    ブレラン

    これを建物に例えると、地面との絶縁部分である免震装置で揺れを打ち消していたものが、免震装置の性能が追い付かなくなって建物自体も揺れ出してしまったということです。

     

     

    水泳のクロールでも右手が水に入る際に左足のキックが入ります。

    これは手足を対角線にタイミング良く動かすことで身体全体がブレることを防いでいます。

    クロール

     

    バタフライでも手を入水する際にキックを打ちます。

    足が下にあるからこそ腰が浮き、頭部は前下方へグライドしていきます。

    これにより腕は水面に近い所に置きやすく、腕から体幹の筋肉がショックアブゾーバーとしてパワーを溜めて腕の搔きへと繋がっていくのです。

     

    fly重心移動

    これら体幹を中心に身体を反対に動かすようなものが人体の免震と言えるでしょうか。

    次回はこのメカニズムについてもう少し深く迫っていきたいと思います。

  • 院長の独り言
    41.北上ドライランド講習会 (体幹シリーズ番外編)

    先日岩手県北上市で開催させて頂いた水泳のための陸上トレーニング“ドライランド”トレーニング講習会の様子をご紹介いたします。

    連載中の「体幹」シリーズを今回もお休みさせて頂きます。

    ただ講習会の中身に「体幹」トレーニングにつながるものが多々ありましたので、少々ご紹介させて頂きます。

    006

     

    2011年に岩手で競泳のインターハイが開催されました。

    順調に選手強化が進んでいたと思っていたのですが春先に震災もあり、結果を残すことは出来ませんでした。

     

     

    来年は岩手での国体開催です。

    今回も他県のような選手強化(補強)は行えず、指導者の方達の熱意の下マンパワーで強化が進められています。

    写真からもお分かり頂けるでしょうが、もちろん選手も相当頑張ってくれています。

     

     

    私は岩手県のトレーナーでもありますので、何とか強化を形(結果)にしたいと微力ながら協力させて頂いています。話

    さて、実際の講習会の様子です。

    まずは体幹部分から腕や脚に繋がる部分がしっかり自由度をもって動かせるような、動的ストレッチをみっちり行いました。

    003

    「体幹」の連載の中で今後お話しすることになりますが、これが人体における“免震装置”を効かせることになります。

     

    手足の付け根が自由に動ける状態にあれば手足が大きく動い(動かさせられ)ても、体幹がそれにつられてブレることが少なくなります。

    また手足の自然な代償運動が起きることも可能となり、よりいっそう体幹部分のブレは抑えられます。

     

     

    単に柔軟性があっても“免震装置”として機能させることは出来ません。

    身体の仕組みに沿った、自然な動きを行える柔軟性が求められます。

    こうした動的ストレッチは神経系にも働きかけ、以前アクセルとブレーキに例えた筋肉の使い方の再教育にもなってきます。

     

     

    動的ストレッチである程度身体が動く状態になったところで、“耐震装置”にあたる体軸自体と“制震装置”にあたる筋肉の強化練習を行いました。

    写真を見ると各所の柱となるところがまだまだ真直ぐになりきれていません。

    しかし講習の前後で見違えるほど体軸を真直ぐに近づけることが出来ました!

    012

    こうした成果は簡単に得られるものではありません。

    感じ辛い感覚を研ぎ澄ませ、こちらの伝えた情報のイメージ力も重要になります。

    選手が私のつまらない話に真剣に聞き入って努力してくれたからこその成果だと思います。

     

     

    講習2日目の午後からは県の強化練習会があり、講習会に参加してくれた選手もその練習会に参加していました。

    他の参加者と比べて午前中一杯講習会で動いて疲れていたはずです。

    それでも普段より練習タイムが格段に上ったり、動きの良さを当人のみならずコーチも認める選手が少なくなかったようです。

     

     

    水泳に反映された成果を目の当たりにして、本当に選手が頑張ってくれたなぁと思います。

    また講習会開催にあたって仕事が増えるのに給料が増える訳でもないコーチの方々にも、お手間をおかけいたしまして感謝しております。

     

     

    国体に向けて、お力になれることがあればまだまだ積極的に取り組んでいきたいと思っています。

    関係者の皆様、よろしくお願いいたします。

上に戻る