治療
治療について
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本院では痛みなどの不定愁訴をなくすためにその原因を探り、解決することで症状の改善を目指しています。
痛み・不定愁訴の原因は人それぞれに違います。したがってこれに対するアプローチも皆同じもので良いはずがありません。
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そのため本院では個々の症状によってアプローチが異なります。また痛みの原因には生活習慣、身体の使い方の癖に由来するものがあります。
こうした場合、原因動作を改善する、有効なエクササイズやストレッチも指導させて頂きます。
本院では“心地良さ”を追求した治療を行っていません。ただ治療を行う過程で“心地よい”感じが出ればと思っています。
治療を終えると動かなかった部位が動き出したり痛みが消えたりします。 また何とも言えないようなスッキリ感が出ることが良くあります。
そんな時は身体の軸がしっかりして今まで動かなかった体幹周辺の関節が動き出し、筋肉をはじめとする身体の諸器官の動きが良くなった証拠です。
そんな本院の治療の柱となる治療法を3つご紹介させて頂きます。
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AKA
関節運動学に基づく治療法です。
動きの悪い関節に対して微細な圧を加えて動きを良くしていきます。 関節の動きが良くなると軟部組織(筋肉や靭帯、腱など)に生じていた緊張も改善されます。
これらによって痛み・シビレなどの不定愁訴を改善しいていきます。
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構造医学
AKAと同じように関節へのアプローチが多い治療です。
一見すると整体のようですが、ボキボキ鳴らすようなことや無理な治療は決して行いません。
AKAとの違いは軟部組織(筋肉や靭帯、腱など)へ直接のアプローチも多いことです。 また治療を行うことで力の伝わりが過不足なくなるということも大きな特徴です。
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操体法
ごく簡単な一定の動きを、呼吸と合わせて行う運動です。
運動と言っても力は不要で、いかにリラックス出来るかというところにポイントがあります。 状態によって行う運動の種類や方向を選択して行い、筋肉などの緊張をほぐし、バランスを整えます。
その結果、歪んだ身体、姿勢が改善されていきます。
寝違い・首痛
首の構造は、テントに例えることが出来ます。
柱である首の骨(頸椎「ケイツイ」)は地面に着いて立っています。
柱のてっぺんに結ばれた複数の紐、布地の引っ張りによってバランスをとり、柱は立っています。
この紐・布地にあたるのが筋肉です。
寝違い・首痛が起きる原因は大きく分けて3つです。
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筋肉のテンションがアンバランスな場合
1つ目はテントの紐・布地にあたる筋肉のテンションがアンバランスになる場合です。図1は正常にテントが立った状態です。地面に対して柱(頸椎)が垂直に立ち、テントを支える紐(筋肉)もバランス良く張っています。
これに対して図2は紐の長さが違っている(筋肉のテンションが違う)ため柱が傾いてしまっています。図2では左側の紐が長く、柱が右に傾いています。したがって左側の紐がさらに伸びて柱が右に傾くのは難しくなります。つまり頸が片方には曲がらない状態です。
なお実際の身体では右図のように2次元的なものではなく3次元的に柱が曲がったり紐のテンションが異なったりします。
したがってこの図ほど問題がシンプルな場合は少ないようです。それでもこのパターンは比較的早く良くなります。
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首(頸椎)自体に問題がある場合
2つ目はテントの柱にあたる 首(頸椎)自体に問題がある場合 です。
図3は背骨の模式図で、後ろから見たものです。背骨の多くは上と下の骨が赤で示したように3点の関節で連結しています。
図4は背骨を横から見たものです。このように背骨はきれいなS字のアーチがあるのが本来です。このアーチが保たれている状態で、上下の骨をつなぐ関節(図3の3つ)は本来の機能を果たします。したがってこの適正なアーチの形成が、柱としての首の役割に不可欠なのです。
アーチがないと病院でも“ストレートネック”と言われます。
他にも脊椎の通る管が狭くなる脊椎管狭窄症や椎間板の一部が逸脱してしまう椎間板ヘルニアが、柱に問題のある代表例です。いずれも無理のない進度で、本来のアーチに近づけることが根本治癒に繋がります。
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背骨(胸椎以下)がグラグラだったり曲がっていたりする場合
3つ目はテントの立っている 土台である背骨(胸椎以下)がグラグラだったり曲がっていたりする場合 です(図5)。
土台が傾いていれば他のパーツが本来あるべき状態を保っていても、柱は傾いてしまいます。土台の傾きを筋肉が頑張って補正している状態が図5です。このパターンは原因が首以外に及んでいるため治療も首だけで済みません。根本治癒には手間がかかります。
たいていの場合、上記3つの原因が多かれ少なかれ複合的に作用して痛みや動かないといった症状が現れます。
したがってこうした原因を一つずつ、順番にひも解いて症状の改善を狙います。
実際の治療の様子
- 想定される疾病名※:
- 頸部捻挫
- ヘルニア
- 狭窄症
- 頸椎症
肩痛、四十肩・五十肩
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肩の痛みにもいろいろな原因があります。ここでは四十肩・五十肩を中心に、肩痛全般についてご紹介させて頂きます。ちなみに四十肩・五十肩はこの年代の方々に多い、肩の運動制限や痛みを伴う傷病です。20・30代もそうですが、70・80代の方でもなることはあります。四十肩・五十肩で一番問題となるのは運動制限です。これが改善されると苦しい夜間の痛みも激減します。
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運動制限を改善させるには運動療法が一番です。痛みを伴わないことが前提で、可能な限り大きな動きをだすような運動を行います。なおこの運動療法は、ほとんどの肩痛に対して有効な治療となります。
痛みを伴わないということは非常に重要なことであると同時に難しさもあります。なぜなら痛みは自分でも気付かないうち(そうしているつもりはないの)に自ら作り出してしまいがちだからです。
自ら痛みを生み出さないためのポイント
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全身リラックスする
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呼吸を止めない(特に痛みそうな時は吐く)
一生懸命呼吸をしようと力が入ってしまう方がいらっしゃいます。
肺のある肋骨(ロッコツ)が風船だと考えて下さい。空気が入るとふくらみ、抜けるとしぼみます。
呼吸もこうした風船がふくらんだりしぼんだりするようにすると余計な力が入らずに行えます。
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力を抜く(力まない)
身体はどの部位でも連動して動きます。
腕を挙げる時は挙げるための筋肉が収縮して、下げるための筋肉は緩むのが本来です。
しかしこの緩むべき筋肉も緊張させてしまいがちです。
また腕を挙げる筋肉も必要なだけ収縮すれば良いのですが、必要以上にぎゅーっと力を入れてしまいがちです。
こうした必要以上の筋力発揮が“力み”なのです。
肩の痛みにも関節の動きが関係します続きを読む
肩の痛みにも関節の動きが関係します
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肩関節の運動は一つの関節の運動ではなく、複数の関節により行われます。したがってこれら複数の関節が正常に働くことが求められます。特に加齢と共に肩甲骨の動きが小さくなり、いわゆる肩自体に頼った非効率的な動きをするようになります。こうならない為にも本来の身体の連動を、しやすい状態にすることが重要になります。解剖学的に肩とは肩甲骨の部分も含みます。この肩甲骨は胸郭(キョウカク)である肋骨(ロッコツ)と機能的な関節となって繋がっています。
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したがって肩甲骨はこの胸郭に沿って動くことになります。しかし加齢と共に背骨が丸くなり、胸郭である肋骨も丸くなると肩甲骨や筋肉の滑走路が曲がった状況になります。したがって筋肉は力を伝えづらく、肩甲骨も本来の動きが出来ません。滑走路を本来の形に戻すために各関節を調整します。また並行して普段の姿勢・癖も改善させていかねばなりません。これにはどうしても日数がかかってしまいます。このことをご理解頂き、治療にご協力頂けたらと思います。
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がいわゆる肩関節。
実際は上腕骨と肩甲骨のみならず、
鎖骨や胸郭までが肩の運動に直接的に関わります
実際の治療の様子
肩が大きく動かせない場合は、痛みの出ない範囲でこのように動かす操体法を用います。
動かし方はこれだけではなく、症状に合わせていろいろあります。
- 想定される疾病名※:
- 頸肩腕症候群
- 石灰沈着性腱板炎
- 腱板損傷
- 肩関節周囲炎
- スイマーズショルダー
- 野球肩
- 関節唇損傷
腰痛・ぎっくり腰
単に腰痛と言っても種類は豊富です。原因が複数あって問題が複雑なことも往々にしてあります。その中で原因を大雑把に骨・関節系と筋肉系からくるものに分けられます。(内科系疾患からくる腰痛は含みません)
腰も他の部位と同じく関節に異常があると痛みを生じます。腰は右図で紹介しきれない程様々なタイプの関節が連動して動きます。タイプの違う各関節はそれぞれ特徴があり、異なる役割を担っています。したがって各個に治療する場合、そのアプローチも異なります。
その中でも仙腸関節は特に大きな役割を担っています。仙腸関節の異常は腰自体の痛みはもちろん、手足や首など全身の痛みやシビレの原因ともなります。身体の調整、治療を行う上で重要で無視できない関節です。
また筋肉系では過緊張が見られることや、筋活動のオン・オフをコントロール出来なくなることが原因として挙げられます。
こうした原因が単独あるいは複数絡み合って(大抵は後者)腰痛という症状を引き起こします。原因が絡み合っているうちは治療効果を体感しづらいかもしれません。対応もワンパターンでは済みません。ただ原因がシンプルに整理されてくると治療効果を強く体感出来ます。
実際の治療の様子
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実際の治療の様子
緊張が強かったり、筋活動がオフになり辛い場合はこうした簡単な運動を取り入れます
- 想定される疾病名※:
- 腰部捻挫
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 腰椎分離症
- 腰椎すべり症
- 筋筋膜性腰痛
膝痛
膝は下半身の動きの一部を担当している関節です。
下半身の動きはおおむね骨盤・股関節、膝関節、足関節で遂行されます。
つまり下半身を動かす仕事をそれぞれ1/3(約30%)ずつ負担している訳です。
もちろん各々の関節ごとに役割・特徴は異なります。
骨盤・股関節周りは体幹とつながるところで、大きな出力を出すことが出来ます。
しかし力を微調整したり細やかな動きをするのは苦手です。
骨盤・股関節が担うはずの仕事を遂行出来なくなると、他の関節がその代行をします。
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実際の治療の様子
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膝は下半身の動きの一部を担当している関節です。下半身の動きはおおむね骨盤・股関節、膝関節、足関節で遂行されます。つまり下半身を動かす仕事をそれぞれ1/3(約30%)ずつ負担している訳です。もちろん各々の関節ごとに役割・特徴は異なります。骨盤・股関節周りは体幹とつながるところで、大きな出力を出すことが出来ます。しかし力を微調整したり細やかな動きをするのは苦手です。
骨盤・股関節が担っているはずの仕事を遂行出来なくなると、
他の関節がその代行をします。
次に中心に近い膝関節はその貢献度が高くならざるを得ません。そうなると膝は30%の仕事で済んでいたものが毎回40、50%の仕事をしなければならなくなるわけです。しかし骨盤・股関節に比べると膝関節は元々そんなに大きな力を出せません。したがって過度な負荷がかかって痛み出すのです。
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なお足関節が本来の働きが出来なくなった場合も膝関節の負担は大きくなります。股関節は曲げ伸ばしの他に、脚を大きく捻る機能を持っています。これに対して膝関節は捻ることがほとんど出来ない関節です。したがって股関節の脚を捻る機能が下がると膝に無理な捻りの力がかかり、痛み、機能障害となってしまうのです。なお足関節が本来の働きが出来なくなった場合も隣接する膝関節の負担は大きくなります。このように、骨盤・股関節の機能低下は膝関節に大きな影響を与えます。逆に言うと膝の調子が悪い場合、下半身の膝以外の関節の機能を改善させることが膝の調子を上向かせると言えるのです。
膝痛の直接の原因が膝関節自体のことは、もちろんあります。原因は手で行うテストや提携医療機関に検査依頼することによって判断され、対応していきます。原因や状況により対処方法も異なります。ただこうした膝関節自体に問題があった場合でも、先に挙げたような近接関節、特に骨盤・股関節の影響は無視出来ません。
したがって本院では膝痛の方に、骨盤・股関節からも必ずアプローチをします。また、患者様ご自身でも出来る骨盤・股関節の動き作り、ストレッチも指導させて頂いています。
- 想定される疾病名※:
- オスグッド
- 半月板損傷
- 靭帯損傷(前十字、後十字、内側、外側)
- 変形性膝関節症
- タナ障害
- 膝関節捻挫
- 膝関節水腫
足首の痛み
関節を跨(マタ)ぐように骨と骨を繋ぎ、関節の安定性をもたらすものを“靭帯(ジンタイ)”といいます。捻挫とはこの靭帯が伸びたり(一部)断裂したりする損傷のことです。
足関節には様々な靭帯があり、そのうちのどの靭帯を痛めても足関節捻挫となります。
ただ足関節捻挫はほとんどが同一の靭帯を損傷し、他の細部の状況が異なるというものになります。
そこでここではその典型的な足関節捻挫についてご説明いたします。
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捻挫で最初に問題となるのは腫(ハ)れです。
腫れが大きくなると外側に膨れるのみならず、身体の内部の組織を圧迫していくなど、大きな問題となります。そこでまずこの腫れを引かせなければなりません。
腫れは炎症症状の一つです。炎症症状には他に熱感(ネッカン)があり、これを抑えるために体内の液体成分が集まります。こうして集まった液体成分で膨らんだものが腫れです。したがって熱感を抑えれば腫れは引いていきます。
そのため腫れのある場合、あるいは怪我をしてこれから炎症症状が出る段階では患部のアイシングが非常に重要となります。
また怪我をして間もない急性期は動くと腫れが増加します。したがって患部の 安静 を保つことは重要な治療となります。
足関節捻挫の治療で重要となるのは上に挙げたアイシングと 安静 を保つことの他にもあります。それは捻挫した際微妙にずれた骨配列を元に戻す( 整復する)ことです。
本来あるべき場所に骨が納まることで痛んだ靭帯や関節面、周辺組織の修復は劇的に早くなります。
また 整復されると体重がかけられなったものが、その瞬間から出来るようになります。
ただ、 安静 を保っているつもりでも関節の安定機構である靭帯が緩んでいるため骨の配列は崩れやすいものです。そこで毎日でも 整復を繰り返すと効果的な治療となります。
ちなみにこの捻挫の 整復、どこの治療院でも出来るようなら良いのですが、実際に行っている治療家はそう多くないようです。
足関節 整復の様子
足関節捻挫をしやすい人は、骨盤・股関節の動き、柔軟性の低い人がほとんどです。
足関節捻挫は瞬間的に足首を捻られることで受傷します。足首が捻られる瞬間、実は骨盤・股関節まで力は伝わっています。その際柔らかい人は骨盤・股関節が動くことで足首への負担が軽減され、捻挫を回避出来ているのです。
このことを鑑み、本院では骨盤・股関節の動きづくりやストレッチ指導などを、足関節の治療にプラスして行っています。それは足関節が治るだけでなく、予防につなげたいからです。骨盤・股関節の機能強化まで行い、捻挫を回避しやすい身体作りまでサポートさせて頂けたらと思います。
ストレッチングボードの乗り方指導の様子
アジリティディスクの様子
- 想定される疾病名※:
- 足関節捻挫
- 外反母趾
- アキレス腱炎
- 足底筋膜炎
「想定される疾病名」について
※接骨院での診断名は病院の診断名と違って骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷に限定されます。
ここでは分かり易くするためにあえて病院でつく診断名も用いて説明しております。