前回のレベル1を踏まえた上で今回のレベル2となります。
レベル2を行おうとするとレベル1でやってきたことが忘れられてしまうことがあるようです。
レベル1があった上でのレベル2になりますので、このことはよくよく注意をして頂けたらと思います。
レベル1では筋力発揮以上に脱力することを身体に学習させることが最大のポイントでした。
そのため大きくバーを引くことは求めていませんでした。
レベル2では脱力した状態から初動作のところのみで筋力発揮することを、学習していきます。
この初動作に入る直前、バーが下から上がってくる時、赤色部分の筋肉は伸ばされて力を溜めています。
初動作の一瞬ではこの溜め込んだ力も利用しながら筋力発揮することで大きなパワーを得ます。その後すぐ筋肉はリラックスした状態に戻します。
言い換えるとバーを下げる一瞬筋力発揮するも、次の瞬間まだバーが下に向かっている段階で既に筋肉は緩んでいるということです。
レベル2での課題はもう一つあります。
それは「かわし動作(Doddge Movment」の学習です。
動画のように腕(上肢)の回転を伴いながら肩・肘が曲がる動きを「かわし動作」と言います。
腕を持ち上げたり下げたり、手足を動かす際には必ず捻りの動きが伴うのが人間本来です。
この人間本来の動きをトレーニングで再学習して日常生活から効率的に動けるようにしていくのが狙いです。
かわし動作は投球動作であれば力みのないトップ(コッキングアップ)の作り方になります。
これはバレーボールやラケットスポーツのオーバーヘッドの動きにも共通します。
トップを作る際肘をかわしながら(前腕を外に捻りながら)行うと上腕二頭筋(力こぶの筋肉)が緊張せずに行えます。
しかし力一杯ボールを投げる等しようとすると、多くの人が強く肘を曲げて逆の動き(前腕を内に捻る動き)をしてしまいがちです。
これが上腕二頭筋の力みのスイッチを押してしまい、胸筋群にも派生して肩甲骨の動きも制限するといった故障への負のスパイラルを作ってしまうのです。
こうしたことからかわし動作を伴うラットプルダウンは肩の障害予防・改善に非常に有効です。
さらに良いパフォーマンスを作り出すにも非常に有効なトレーニングとなります。
人間本来の動きを再学習するものですから、アスリートでなくても有意義なトレーニングとなります。
競泳をされる方はお気付きかもしれませんが、動画で腕を捻りながら肩・肘を曲げた形はまさに水をキャッチするのと同じ形ですね。
Lv.1でポイントに挙げていた手首が真っ直ぐのままバーを引くことがしっかり出来ていれば、このラットの動きは水泳の効率的なキャッチ時の身体、特に背中の使い方を再現します。
細々とポイントを挙げているので難しさが目を引いてしまっているかもしれません。
しかし実際行うのは人間本来の動きですから意外にシンプルに出来てしまう方もいらっしゃいます。
Lv.1をこなせるようになったら、是非このLv.2もトライしてみましょう!