院長の独り言

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20.ウォーキング芸人Ⅱ ためにならないウォーキングスタイル

前回ウォーキング芸人を健康になるために①非常に良い②まあまあ③あまりためにならないに分けられるとお話しました。
今回は③あまりためにならないウォーキングスタイルについてお話ししたいと思います。
③にあてはまるのは・・・ピース又吉さん。(写真中央)

ウォーキング芸人Ⅱ

又吉さんは物思いにふけってゆっくり、徘徊するように歩くスタイルです。
考え事をしながらゆっくり歩くと背中は丸まり歩幅も出ません。 (写真では背中が丸まっていませんが、本編で自らのウォーキングスタイルを説明する時は大きく背中を丸めた歩き方でした)
背中が丸まっているということは、身体の軸であり柱である背骨が曲がっているということです。
柱が丸まっていたらそれを支える筋肉は常に活動していかねばなりません。

皆さんも高さがあって不安定なものを持ち上げて運んだ経験はおありだと思います。結構疲れますよね。
この運んで疲れた経験のある方、その人は背中の丸まった人の下半身の筋肉を経験されたのと同じです。 柱が丸まった状態を支えながら移動している訳ですから。

若くて活動的であればバランス感覚に優れているので背を丸くして歩いても支える筋力は少なくても大丈夫でしょう。
しかしバランス感覚が衰えると柱が曲がってどこに倒れるか分からないため大股で動き辛くなります。 また倒れないよう必要以上に筋の緊張が高まります。

筋肉は緊張して硬くなると筋肉内の毛細血管が圧迫されて血流が滞ります。 すると筋活動によって産生された乳酸を流すことが出来なくなります。したがって疲労物質である乳酸が溜まることになります。
さらに緊張によって歩幅(足振り)・腕の振り幅が小さいと、筋肉が緩んだり、伸ばされたりといったことも少なくなるため毛細血管の血流は滞ります。
逆に筋肉内の毛細血管は、筋肉の緩んだり伸びたり縮んだりといったリズミカルな繰り返し(大きな腕振りなど)により血流が促進されます。
したがって筋肉が緊張せず、リズミカルに伸びたり緩んだりすると、疲労の指標の一つとなる乳酸は溜まりづらくなるのです。
以上のように背中を丸めて歩くのは、曲がった柱を支えるべく不必要な筋活動を生み、その筋活動様式から筋肉は硬く、疲れやすくなります。したがって身体のためにはならないウォーキングスタイルと言えるのです。

さらに又吉さんの服装は身体が動きやすいとは言い難いです。靴でなくサンダルスタイルというのも歩行本来の動きを妨げるような気がします。(鼻緒が拇趾球への重心移動を誘導するという話を聞いたことはありますが…)

ちなみに歩くと思考が進むということは科学的な裏付けがあるかどうか分かりません。 しかし昔から著明な哲学者や学者さんなどに散歩の中で思考作業をしていた方は非常に多いようです。
又吉さんのウォーキングスタイルは、身体にとってはあまり良くないスタイルです。 ただ思考を深めたりするのにはとても良いスタイルなのかもしれませんね。

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