院長の独り言
6.暑熱環境下でスポーツを行う場合の水分補給
真夏の水分補給は脱水症や熱中症の予防に効果的と言われています。 暑熱環境下でスポーツを行う場合はこれに限らず、暑さによるパフォーマン ス(運動能力)の低下を大きく防ぎます。今年は猛暑なので、7月にチーム 帯同したブロック大会では水分補給の重要性を無視することは出来ませんで した。またこの問題にきちんと取り組んだことで、目標である自己記録更新 と全国大会出場権の獲得を多くの選手が果たすことが出来ました。
今回は暑熱環境下で実際に大きな効果を上げた水分補給の方法をご紹介し たいと思います。今回はポイントが多いので根拠となることなどについては 省きました。今年の夏も半分以上が過ぎてしまいましたが、まだまだ暑さは 続きそうです。日常生活の部分などではアスリートのみならず一般の方の熱 中症予防にもご参考になるかと思います。皆さんのご健康、競技力UPに少 しでもお役に立てれば幸いです。
① 基本(日常生活でも運動中でも気を付けておきたい事項)
- 喉が渇いたと感じたら水分不足です。喉が渇いたと感じる前に水分補給を。
- 一度に大量に摂取(一気飲み)しない。1回の摂取量はゴクゴクゴクの喉ごし3回を目安に。
- 水分補給の基本は水・ミネラルウォーター。
- カフェインを含むお茶類、コーヒーには利尿作用があります。したがって水分補給を目的とした場合、ベストな飲み物ではありません。
- アルコールにも利尿作用があります。夏場の美味しいビールも残念ながら水分補給には不適切です(笑)
② 日常生活
- 練習・試合(レース)時の摂取分を除いて1日に1~2Lを目標に摂取するようにします。
- 1時間では最大800mlとします。
- スポーツドリンクは糖質が多いため、水分補給の観点からはベストではありません。
- 食事前後は水分摂取が多すぎないように注意!
- 睡眠中も体内の水分は消費されるので、就寝前、起床直後の水分補給も忘れない。
- 汗をかくような状況下では冷たいが冷たすぎない水(普通に冷蔵庫で冷えた水、10℃前後)の摂取が望ましい。
- 暑熱環境下でなければ常温の水で構いません。逆に涼しい場所でよく冷えた水の摂取は、良くないと考えて下さい。
③ 練習、試合(レース)前後
- ドリンクの温度は冷たいが冷たすぎないもの(10℃前後)の摂取が望ましい。
- 練習中は少なくとも15~20分おきに1回は水分を補給する。全く喉が渇いていなくても口に含む程度は補給する。あとは各自必要と思ったら(喉が渇くと感じる前に)補給する。
- 試合前、練習中(特に前半)のドリンクの中身は水が望ましい。
- 試合前、練習中にスポーツドリンクが飲みたい人は2~4倍程度に薄めたものが良い。
- 試合前もがぶ飲みはなしですが、確実に水分補給をする。
- 試合直後、メイン練習(その日の一番きつい練習)直後には出来るだけ早く(出来れば5分以内に)水分補給を行う。内容はクエン酸の入ったスポーツドリンクか100%のオレンジorグレープフルーツジュース(柑橘系)を摂取する。お腹が弱い人はスポーツドリンクの方が良いかもしれません。量は200ml程度ですが、がぶ飲み(一気飲み)はしない。これは水分よりエネルギー補給の意味合いが強くなります。