4月第一週のオリンピック選考会にチーム帯同してきました。
結果は、惜敗でした。
これまでシドニー、アテネ、北京と3大会連続で代表選手誕生に関わってきました。 (厳密にはシドニーでは落選でした。しかし選考方法の明確な現行選考方法では代表でした。 不可解な選考方法により落選したので、私の中ではあの選手が携わったオリンピアン第一号です。)
今回もアテネ、北京に引き続き、携わった選手の複数人が代表に入ると確信をもって試合(選考レース)に臨んだ訳ですが・・・。
選考会初日から関わった選手の多くが好調でした。自己記録更新(ベスト)率も高かったです。春先の、チーム戦でなく個人で戦う難しい大会の割に、非常に好調な滑り出しでした。
中盤戦もしっかりベストを出す選手が続きました。しかし予選を通過して準決勝でタイムを落とす選手が続き、少々嫌な流れを感じました。
終盤の6日目、今回一番勝負を賭けていた1500m自由形が始まりました。この種目に昨年の日本ランキング1位と2位の選手がチームからエントリーしていました。 予選は気持ちよく泳いでくれたようで1位と3位で予選通過でした。ただこの日も他の種目では準決勝でタイムを落として決勝進出ならず...。
1500m自由形決勝の最終日。本命の二人には競技スポーツの残酷さが待ち受けていました。一人はベストを更新したものの、二人とも派遣標準記録に届かずオリンピック代表から落選してしまいました。
今回の敗因はいろいろあるのかもしれません。
トレーナーがすることは、積み重ねた練習に比して微々たるものでしかありません。そんなもので勝負の行方が大きく変わるほど、日頃の練習、本人の節制・努力の価値が低いものではありません。
しかし大会に帯同したトレーナーは、試合前の繊細な、大切な時間をお預かりします。そういった意味で鍵を握る存在ということも出来るでしょう。
そんなトレーナーの立場から今回の敗因を考えると、選考会独特のプレッシャーを軽減させることが出来なかったことが一番の反省点です。
レース後選手に感想を聞くと(次回を考えてどんなレース後にもすることです)いくつかコメントしてくれました。 しかし性格の良い二選手なので、トレーナーに対してコンディションの悪さからダメだったと受け取れるような事は決して言いませんでした。
ただこうした大舞台ではちょっと気になったことが大きく膨れて大きな不安材料になったりします。 逆にプラス材料があるとそれに意識が集中して大きな力を発揮出来ることもあります。緊張する(集中した)場面になればなるほど、コンディション・フィジカル面がメンタル面に影響することもあるのです。
今回はフィジカル・コンディションの面からメンタル面をカバーすることは出来ませんでした。 また細やかな気遣いで選手をサポートすることも足りなかったと言えるでしょう(こうした気遣いが出来るからこそ良いトレーナーだと言われる方もいらっしゃいます)。
関わった選手は皆、本当に頑張ってくれました。
実力も大本命だった2人は世界の舞台で戦えるだけのものを持っているはずです。2人以外にも本領を発揮出来れば代表に入る実力を持った選手が居たと思います。
しかし4年に1度の大会で、何とも言えない残念な思いをしました。
これは頑張ってきた選手、ずっと練習を見てきたコーチ方なら尚更です。
こんな思いを自分がしない為にも、選手・コーチ方にしてもらわない為にも、トレーナーとして足りないものを一つずつ埋められるよう、日々頑張っていきたいと思います!