院長の独り言

院長の独り言
92.恒常性の難しさ

私の指の骨折では、7週間ちょっとの固定をしました。

単純な指の骨折であれば2週間が目安ですので、固定期間が非常に長かったことがお分かり頂けるかと思います。

 

 

生物には「恒常性」あるいは「ホメオスタシス」と言われる特徴、性質があります。

簡単に言うと現在の状態を維持していこうとする性質です。

 

これによって人は健康を維持する一面があります。

ただ悪い状態が長く続いてしまうと、その悪い状態を基準として維持していくようになります。

 

私の指も長く固定したため、身体は患部周辺が動かない状態を基準として捉え、それを維持するようになってしまいました。

治療をした直後は柔らかくなるものの、しばらくするとまた硬く動かなくなってしまうのです。

(下の写真(右手)は受傷113日後。だいぶ曲がるようになりましたが左とは差があります)

IMG_2430[1]

この“3歩進んで2歩下がる”状況、結局着実に一歩一歩前に進んいるので順調な回復です。

実際の骨折後の治療は“1歩進んで1歩下がる”なんて日もよくあります。

 

恒常性があるので、良くなるためには、すぐに悪くなるものを改善された状態のまま保つことが出来る位、治療を繰り返すことが必要となります。

そうすることで一進一退を繰り返す毎日の治療でも、1週間、1カ月単位で変化を追ってみると状態は上向いていくものです。

 

骨折だけでなく痛い状態を長く我慢していると、簡単に元に戻りません。

恒常性が働いてしまっているからです。

こうした場合は、気付いた時点から早期に、頻回に、我慢強く治療を重ねることが有効になります。

 

私の指もある程度回復したところで治療に満足してしまい、サボってしまったところがあります。汗

もう少し粘り強く治療してもっと良くしていきたいと思います^^

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