前回の上からの姉妹版みたいなストレッチです。
上からのストレッチが立った状態からストレッチ姿勢に入るのに対し、下からのストレッチは座った状態からストレッチ姿勢を作ります。
上からと同じように腰背部から下肢にかけての筋肉に効かせますが、似て非なるストレッチとなります。
上からは膝を伸ばしたまま行うのに対し、下からでは若干膝が曲がった状態で行う点が二つのストレッチの一番の違いです。
ただ、下からのストレッチも腰を上げていく時になるべく膝関節の曲がり角度を小さくしていきます。
下から、で膝が伸び切ってしまう方は、腰を上げていく時に股関節の折り込みが緩んでしまったと思われます。
そんな場合はしゃがんで股関節を折り込むところからやり直してみて下さい。
腰から下肢に繋がる筋肉には骨盤から膝下まで、股関節と膝関節の二つをまたぐ筋肉(二関節筋と言います)があります。
また骨盤から膝上まで、股関節のみをまたぐ筋肉(単関節筋と言います)もあります。
上からでは膝を伸ばすことで主に二関節筋を中心としたストレッチとなります。
これに対し下からでは膝が曲がった状態で行うことで股関節伸展筋群の中でも単関節筋を中心としたストレッチとなるのです。
ただ上からで単関節筋に、下からで二関節筋に全く効かないという訳ではありません。
あくまでメインに効く筋肉が微妙に変わるだけです。
そんな姉妹ストレッチですが、明確にこの筋肉が悪いと分かっている時には使い分けると効果的です。
逆に何となく腰・股関節周りが何となく良くないと感じたら両方のストレッチを行うと股関節伸展に関する部分をほぼカバーすることが出来ます。
このストレッチは、非常に大きな出力発揮が出来る股関節伸展筋群の動き・能力を高めます。
したがって陸上や水泳などのスタート動作で股関節伸展力を用いようとした場合、非常に効果的です。
また足の裏で重心位置を細かく感じることでスタート姿勢を良いポジションで止めることが出来たり、重心移動の感覚を高めることも出来ます。
実際のスタート動作に取り入れるにはちょっとしたコツがあるのが実際ですが。
股関節伸展筋群のポテンシャルを高めてくれるので、上からと共に是非取り組んで頂けたらと思います。
もちろん腰痛、膝痛、股関節痛などにも好影響がありますので、少しテクニカルではありますが皆さんトライされてみて下さい☆