院長の独り言

院長の独り言
190.どんなケア?

先日、競泳の日本学生選手権で鹿屋体育大学に帯同してきました。

長く関わってきたチームですが、コロナなどがあって今回は4年振りの帯同となりました。

 

4年間が空くと前回1年生だった選手も卒業するので、今回は全選手が“初めまして”の状態でした。

誰一人として私を知らない、これまで長く携わってきたチームというのは…何とも言えない感覚でした。

 

当然選手たちは私がどんなトレーナーかも知りません。

自己紹介の時や実際ケアに入る時に説明をするのですが、どこまで話すべきか等探り探りでした。

 

今回初めて一緒にトレーナー活動を行った先生からは、説明が上手ですねと褒められました(^^)

そう言われて説明の部分を思い返してみると、もう少し突っ込んだ説明をしたらもっと分かり易かったかなぁと思いました。

 

競泳のケアの現場でよく聞かれることに「緩める」「締める」という言葉があります。

一般的に緩めるとは筋肉を柔らかく、疲れを抜くようなことを意味し、主にマッサージで気持ち良くするような方法をとります。

 

締めるとは筋力発揮しやすくするようなことを意味し、筋肉に刺激を入れ、腹圧を高めるような方法で行います。

緩めると締めるはプラスとマイナスのように対義語的に使われています。

 

これを私のケアに当てはめようとすると???となってしまいます。

見た目にマッサージはしないし、一般的な腹圧を高めるようなこともやっていません。

私のケアは大まかに以下の4つのことをしています。

 

①筋肉へのアプローチ

手で筋肉自体を取ることもありますし、ローラーなどの器具でも直接アプローチします。

これにより筋は緩みますし疲労感も軽減します。

 

②関節へのアプローチ

関節は関節包に覆われ、その中に関節液が入っています。

関節に適切な圧を加えていくと関節液が関節包を満たし、関節が滑らかに動くようになります。

例えるなら油切れしたマシンに油をさすようなものです。

 

この関節へのアプローチ、関節自体の動きが良くなるので関節可動域の拡大や力の伝わりを良くします。

また関節周辺の筋緊張を軽減させます。

 

③神経的なアプローチ

無駄な筋活動を抑制して効率的に筋が活動出来ることを目指しています。

 

④動き作り

人間本来の動き、競泳特有の身体の動かし方、重心の乗せ方などがスムーズに行えるようアプローチしています。

 

一般に「締める」と言われる部分を私の場合は関節、特に骨盤の調整と、神経的なアプローチで行っています。

これにより力の伝達を良くし、効率的な筋活動を促しています。

 

「緩める」ところは①~④全てが関わっていて、ただ単に筋肉を緩めるだけというアプローチは少ないです。

 

実際のケアでは一つの手技でも①~④の要素が絡み合っています。

つまり「緩める」にあたる手技と「締める」にあたる手技を同時進行、適宜行っています。

 

肩のケアを例に見てみます。

ローラーや手で筋肉を取っているのは①がメインで「緩める」になります。

肩甲骨や腕を私が持って動かしている時は②④から①に繋がって「緩める」も「締める」行える手技です。

不要な筋緊張が抜けない時は様々なやり方で緊張が解けるように行っています。

「力を抜きます」「息を吐いて下さい」などと言われた方も多いかと思います。

このアプローチは③④から①に繋がり「緩める」にも「締める」にも影響します。

 

ちょっと話が混み入ってきましたが…(><)

私のケアがどんなことをしているのか、他のトレーナーさんと何が違うのか少しでも理解して頂けたら幸いです。

 

今回の話では少々抽象的になってしまったので、実際ケアしている時も説明が必要そうな時はしていきます。

またケアについて疑問や不安が湧くことがありましたら遠慮なく聞いてもらえたらと思います。

 

私自身、どういう動きが出来るようになりたいとか、どこがどうすると痛いなど具体的なオーダーをもらえるとゴールがはっきりして良いケアが出来るように思っています。

なのでケアの際は具体的なオーダーを伝えられるようにしてもらえると助かります^^

 

インカレでは鹿屋のOBOG、昨年帯同した岐阜聖徳学園大学の選手、高校まで岩手で診てきた選手などとも久しぶりに話せて楽しいひと時をもてました。

 

私のケアを理解して頂き、関わる全ての選手にプラスに働くようこれからも頑張っていきます!

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