操体法

操体法

操体法とは

操体法では生命が健康に維持されていくために息(呼吸)・食(飲食)・動(身体運動)・想(精神活動)
の四つの基本的要素があるとしています。そしてこの4要素が調和して環境に適応している状態を健康体としています。
この四要素のバランスが崩れ、環境に適応出来なくなると不健康になっていき、そのまま放っておくと更に疾病体となります。
逆に疾病体になっても先の四要素の調和がとれて環境に適応してくると健康体に戻っていきます。
操体法とは以上のメカニズムを理解して先の四要素の調和を計る方法の総体のことをいいます。
本院ではこの中の呼吸身体運動の要素を多く取り入れています。

操体法のメカニズム、考え方

現代医療の多くでは、検査等によって異常を見つけ、病名を診断していきます。
そして○○病だから痛い、体調が崩れているという考え方をします。
また検査をして異常がなければ正常、問題ないとされます。
それでも症状(痛みなど)を訴える人等には「○○の一歩手前」「○○の軽いヤツ」などという言い方をします。
医療機関でこのように言われた方は多いのではないでしょうか?
これに対して操体法では正常な段階から診断名がつく前段階までのところをも重要視しています。
人が健康な状態から体調が崩れていく時、まず身体の基礎構造が崩れます。
すなわち歪みが生じて潜在的な愁訴から腰が痛い、なんとなく重いといった自覚症状が生じます。
これが歪みの初期段階(感覚異常)です。これをそのまま放置するとある部分、例えば胃の働きが悪くなります。
この段階は感覚異常にプラスして機能異常が加わった段階となります。
さらにこの状況が進行すると胃潰瘍(いかいよう)といった医学検査で診断がつくような病気となります。
この段階では先の段階にプラスして器質破壊が生じているということです。
操体法では病気に至るまでをこのように捉えています。
したがって治療でもその根本にある身体の歪み、不調和を正常な状態に戻すことで病気に至らないようにしたり痛みを改善していきます。
以上を下図にまとめました。

操体法の考え方
図.操体法の考え方

操体法のやり方(基本)

① 痛いあるいは動きにくい方向から痛くない・動きやすい方向へ動かす。痛い・苦しいことはしない。
② ゆっくり(ゆったり)動いてその感覚を感じる。この時決して力まない。スピード、力は必要としません。
③ 気持ち良いところで動きを止め、瞬間的に脱力する。
④ 動かす時は常に息を吐きながら行う。


脊柱等の動きを作る操体法

どんな痛み、症状に効くのか(操体法の適応症)

首痛、肩痛、腰痛、膝痛など身体各部の筋肉、関節などの痛みに有効です。
首痛であれば寝違い、ムチ打ち症等にも有効です。
肩痛でも一般的な肩こりはもちろん、四十肩五十肩、肩腕症候群などにも効きます。
腰痛もぎっくり腰、腰椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛などに効きます。
このように関節や筋肉などの運動器に由来した痛みにはほとんど適応しています。
またこうした運動器の状態が悪いために生じる頭痛やめまい、下痢や便秘といった症状に対しても有効だとされています。

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