歩行

歩行

歩行は一番手軽な全身運動です。正しい歩行は全身の筋肉をリズミカルに動かします。言い換えると全身の筋肉が活動とリラックスをバランス良く繰り返すのが歩行なのです。
これにより関節が本来の動きを取り戻し、身体のアンバランスを直していきます。そして肩・腰・膝などといった身体各部の痛みをなくすあるいは軽減することが出来ます。また骨格系にぶら下がっている内臓系にも良い影響を与えます。
ただしやり方にはポイントがあります。ポイントを外すと良い効果が得られないばかりか、やればやる程マイナスに作用してしまう場合があります。
以下にいくつかポイントを挙げます。ご参考にして頂けたらと思います。また実際に歩行を実践される場合には是非本院にお越し下さい。個々に動作の癖がありますので、そこを踏まえた指導をさせて頂きます。  

1.フォーム

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歩く前段階(写真①)

足の横幅は股関節の幅にして立ちます。
重心は踵に乗せます。横から見てこの上に骨盤、頭がくるように立ちます。

歩きだし(写真②)

足の裏の重心を踵から徐々に前に移動させます。この時すぐに踵を上げません。(つま先立ちのような姿勢はとりません)
重心の移動に伴って足関節が深く曲がり、骨盤から上半身が下半身に先立って前に進みます。

一歩目前期(写真③)

重心が足の裏の拇趾球(親指の付け根)を通過する頃、倒れないために片足(左足)が前に出ます。これは人間が本来持っている反射によるものです。
足が出た時も歩く前と同じで骨盤の真上に頭がある上半身の位置関係は変えません。この体幹の姿勢を変えず重心移動を続けていくと、倒れないために足が次々自然に出ます。腕も自然に動き(これも反射です)、腕振りにつながっていきます。なおこの骨盤より上の体幹部分は、歩行中身体の軸として傾きは変わりません。

一歩目中期Ⅰ(写真④)

一歩目として足が地面に着きます。足は結果として踵から着くのですが、意識としては足の裏全体で着くイメージで歩いて下さい。踵から着こうとすると、重心が後ろに乗って悪いフォームになってしまうことが多いからです。
なお写真のモデルは着地と同時に膝が大きく曲がってしまう癖があるようです。着いた瞬間に膝が曲がってしまうと、せっかくの前にいこうとしている力を吸収してしまうので良くありません。

一歩目中期Ⅱ(写真⑤)

やはり骨盤から頭までの体幹の傾きは変わりません。着いた足を乗り越えるように上体(重心)が通過して前に進んでいきます。

一歩目後期、二歩目前期(写真⑥)

一歩目(左足)が地面から離れると同時に二歩目(右足)が地面に着きます。
足が地面から離れるのは、重心が拇指球に移動してからとなります。さらに突き詰めると実際には難しくなるのですが、足趾は拇趾から地面を離れ、最後に小趾が離れるような離地が理想です。
二歩目の足が地面に着くところ以降は、一歩目の足が着くところ以降の繰り返しとなります。

<全体を通して>

歩く前段階の重心移動で生み出した勢いを殺さずに一歩一歩を繋いでいきます。
慣性の法則を利用している訳ですが、これにより余計なエネルギーを使わない効率的な歩行となります。
また重心移動で身体が動いた結果、手足がバランスを取るために無意識で動きます。
これは人間が本来持つ反射です。これを活用することが余計な筋活動を生じずに歩くコツになります。
こうした自然な重心移動と反射を利用した一歩が繋がることで、理想的な歩行が成されていきます。
  • 2.時間

    途中で止まることなく、続けて40分歩くのが良いとされています。ですから歩くルートに信号が少ない方が良いでしょう。私が歩行を行って信号を通る場合、真直ぐが赤なら1ブロック歩いて次の信号で渡り、止まらないよう心掛けています。
    オススメのコースは公園などの周回コースや歩道として整備された河川敷などです。高田馬場でも神田川沿い等いくつか良いコースがあります。
    時間が短いあるいは途中で立ち止まると、全身の筋肉がリズミカルに動く前に終わってしまう可能性が高まります。逆に時間が長いと疲労から、やはり全身の筋肉がリズミカルに動かせなくなる可能性が高まります。こうしたことから歩行時間は40分程度が良いと考えられます。
  • 3.服装

    服装 手足が動きやすい服装で。両手両足はフリーで動かせるように物は持ちません。ウエストバッグもない方が良いです。ですから片手にリードを持った、犬の散歩では身体に良い歩行とはなりません。

    靴は運動用のものを。但しソール(靴底)は低くフラットなものの方がさらに良いです。
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