院長の独り言

院長の独り言
133.脱トレーニング

脱トレーニングとは、ある程度継続してトレーニングをしてきた人がトレーニングを中断・休止することを言います。

脱トレーニングについて見ていくと、アスリートに焦点を当てた報告が多いようです。

 

それは高度に身に付けたもの(技術、体力など)ほどトレーニングの中断・休止によって失いやすく、元々持っているような能力や難易度の低い技術などは簡単に失われないためかと思われます。

 

ここで言う難易度の低い技術とは自転車に乗ることや単に泳ぐといったもので、こうしたことは何年もやっていないで急に行っても出来てしまうことから脱トレーニングの影響を受けないとされています。

 

 

こうした脱トレーニングですが、一般の中高年の方々についてはどうなんだろう?と素朴な疑問が湧きました。

長く歩くことが出来ない方にとって、歩くことは難易度の低いことではありません。

実際今回のコロナ禍で、医療、介護施設でのリハビリの中断を問題視する報道もありました。

 

 

本院には、「帰りは楽に歩けます」とおっしゃる方が沢山いらっしゃいます。

本院の体操教室は、アスリートにとってのトレーニングのように中高年の方々にはトレーニングに当たると思います。

治療の中でも効率良い動作の獲得を念頭に、実際に動きを作っていくことが多々あります。これは神経系を中心としたトレーニングとも言える内容です。

 

本院においても通院出来なくなった方々がどうなっているのか気になっています。

 

通院出来なくなった方とお会いされた、通院を続けている方によると調子が良いという話は聞こえてきません。

また久しぶりにご来院頂いた方から、「そんなに悪くなってると思ってなかったのに、(治療を)終わるといかに動かなくなっていたか実感しますね。」といったことを伺いました。

脱“トレーニング”の影響は少なからずありそうです。

 

通院すると歩行など日常生活をつつがなく送るための“トレーニング”を行えます。

しかし通院することは人との接触を、院内以上に通院途中にも増やしてしまいます。

これは新型コロナウイルスの感染予防の観点からは避けたいことです。

 

なんとも悩ましい事態となりました。

本院では可能な限りの感染予防策を講じつつ、効果的な“トレーニング”を提供していきます。

行えることが限られている分、行えることをしっかりしていきたいと思います。

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